全音モラレス製エレキギター モズライトタイプの「Morales ZES-300」です。エレキブームの真っ只中だった1967（昭和42）年に発売されました。良品・珍品さまざまなエレキギターが世に出される中で、本家モズライトを徹底的にコピーし、需要に応えようとした全音の職人魂を感じます。製造から55年を経てそれなりの劣化はありますが、楽器としてまだまだ遊べます。

以前、ビザールギター収集家の方から購入しました。自分にはなかなか弾きこなす時間がなく、このたび出品を決めました。以下、長文ですが出来るだけ詳細に

《全体的に傷だらけですが、欠品しがちなアームを含めオリジナルパーツがそろっています。ヘッドのロゴが無くなってしまっている個体が多いですが「moral」までかろうじて残っています。また、モズライトに似せようとヘッドをギザギザに削られている個体をよく見かけますが、塗装の剥げがあるだけで原形を保っています。

ボディ、ネック裏、ヘッドとも同じ鮮やかな赤色で、ボディには塗装の割れが見られ、下地？の白がのぞいています。あくまでも塗装表面の亀裂でボディの割れはありません。白ボディを再塗装したものと思っていましたが、ロゴを剥がした感じがないため、オリジナルかもしれません。

ネックは若干順反りのように見えますがほぼ真っ直ぐです（7枚目）。フレットの減りもあると思いますが弾いていて不具合を感じたことはありません。コントロール類は全て正常です。ジャックは多少のガリ音が出ることもありますがグラつきはありません。

ピックアップもオリジナルです。ボディに固定する部分のプラに一部割れ欠けがあります。新品の
ピックガードは緑がかったクリーム色にやけています。少し縮んでいるため固定用のネジ穴がずれている部分が2か所あり、ここはあえてネジを外しています。

重さは4.4kgあります。重いです。
3/27に弦を張り替えています。


《気になる点&対策》
出品にあたり
長年の使用に伴い、ブリッジを台座に固定する１弦側の4mmねじ（台座側）が緩くなっていてブリッジが安定しない課題がありました。そこで旧JIS規格のナットを薄く削り、間に噛ませることで安定させています（写真9枚目参照）。

ブリッジ1.2弦の駒に多少のビビりがあります。駒の位置を前後にずらすと解消されることが多いですが、モズライトで同じ現象が起きた場合には駒の下に薄いテープを敷くなどして安定させる方がいるようです（と前所有者から聞きました）。

ねじ頭がさびたり、固着したりして外せない部分があります。例えばフロントピックアップを固定しているネジ、テールピースを固定するネジ（1弦側）です。これまで外した事がない上、無理に外して壊したくなかったのでそのままにしています。トラスロッドの効きも確認したかったのですが、フロントピックアップが外せないのでできていません。いずれにせよ現状で演奏に支障はありません。

コントロールパネル、リアピックアップ、ペグは外して清掃・注油しました（写真7.8枚目参照）。



ガラクタですが購入時にもらった予備部品？もお付けします（写真10枚目参照）。ベッコウ柄のピックガードに着せ替えすると、雰囲気ががらっと変わります。

当方、本物のモズライトを所有しておりません。本家の良さを知りませんが、これはこれでパクリではなく、時代が求めたコピーモデルならではの魅力があると思っています。そんな当時の世相に思いをはせながら楽しめる人にはおすすめです。

ハードケースがないため、ソフトケースに入れて緩衝材を入れた段ボールで梱包しお送りします。その際、安全のためアームは外しておきます。

最後に、当方はショップではありません。状態確認と調整も素人のできる範囲で行ったものです。完璧をお望みにならず、５５年前に製造されたものであることを十分ご理解の上、ノークレーム、ノーリターンでお願い致します。